2022-01-01から1年間の記事一覧
近世から近代へ。開国した日本にとって海外の国と貿易するリスクと直面することになります。江戸時代は米本位制で総じて安定した物価でしたが、開国したとたん金銀為替格差により、日本から国外へ金が流出して極端なインフレが起こり、物価が不安定になりま…
前回は日本銀行を設立し、銀本位制を確立し、通貨がようやく安定したところまでまとめました。ここから金本位制の導入です。これが苦難の道なんですよね。 kyoyamayuko.hatenablog.com kyoyamayuko.hatenablog.com 今回も松元崇さんの本についていきたいと思…
こちらのblogの続きになります。江戸から明治へ。いったい何が起こったのか。 kyoyamayuko.hatenablog.com 松元崇さんの本をまとめていきます。 太政官札の価格維持 幕末の金の大量流出で、明治維新政府が通過政策として最初に取り組んだのが、太政官札の価…
※sumita-mさんからのご指摘があり、「共同幻想」を「対幻想」に訂正します。ご指摘ありがとうございました*1。概念は原著確認して丁寧に使いたいと反省しました。 二度目のドライブ・マイ・カー。 3時弱の映画を2回も見るって2時間映画を三本見ることがで…
sumita-mさんからのご指摘があり、「共同幻想」を「対幻想」に訂正します。ご指摘ありがとうございました*1。概念は原著確認して丁寧に使いたいと反省しました。 ドライブ・マイ・カーについて感想を書きましたが、 kyoyamayuko.hatenablog.com 気になった評…
『こども六法』が流行ってから○○六法シリーズが増えていますよね。 この『おとめ六法』は女性たちが困難に陥ったときに関わる法律をまとめています。 イラストがかわいいですよね。手に取りたくなるかわいらしさです。 ちなみに、『おっさんず六法』*1とい…
世界が混沌として不透明な時代になってきた。 民主主義より権威主義がはびこる時代になってきた。 強いものこそ正義なのか。 弱者は黙って従い耐えるしかないのだろうか。 自分たちの自由と平等を守るにはどうしたらよいのだろうか。 自分たちの自由を守るの…
松元崇さんの本を通して、財政・金融面からなぜ日本は戦争を選択したのかをまとめたのがこちらの記事ですが、軍部の財政・金融政策がいかにおかしかったかを理解するためには通貨制度を理解する必要があります。が、それを通史と一緒にまとめるとややこしく…
話題になった本です。 精神科医斎藤環と「いのっちの電話」という希死念慮のある方々の相談電話をしている坂口恭平さんの文通対談です。坂口恭平さんは、電話相談の仕事ではなくアーティストとして活動しながら電話相談するという精力的な方ですが、ご本人は…
近くの映画館に来たので二回目を見に行きました。 一回目で勘違いしていたところ訂正します。 車のなかで高槻が話す音の物語の続きの言葉を勘違いしていました。 文中で訂正します。 ーーーーーーーーーーーーーーー 見たいと思いつつ気づいたら上映が終わっ…
琉球処分まで書きました。ここでようやく日清戦争になります。 kyoyamayuko.hatenablog.com 岡本隆司さんの本をまとめていきたいと思います。 日清対立の争点は朝鮮半島*1ーーー朝鮮は属国が独立国か 日清修好条規の第1条相互不可侵条約で清朝が想定しての…
ドキュメンタリー映画「香川1区」は立憲民主党の国会議員・小川淳也のドキュメンタリー映画だ。 www.kagawa1ku.com この映画は「なぜ君は総理大臣になれないのか」の映画の続編になる。こちらの作品を見なくても「香川1区」から見ても、単体の作品として楽…
こちらの本をまとめていきます。近代以降をまとめますが、それ以前の時代もすばらしい内容なので、ぜひお時間のある方はどうぞ。オススメです。 日清修好条規 日米修好条約は日本史で習っても日清修好条規はそのほか他国と同じような扱いで、その具体的な中…
岡本隆司さんの『中国史とつなげて学ぶ日本全史』から均整の終わりから近代のはじまりについて日中関係に焦点をあけてまとめていきたい。 幕藩体制の崩壊 中国についてはこちらのblogにまとめましたが、日中比較するために重要な概念は「官民一体」「官民乖…
デヴィッド・ボウイのジギースターダストのツアー最終日の講演の映画化。 なんと1974年、48年前のライブです。 ziggystardust.onlyhearts.co.jp デヴィッド・ボウイ・・・ 正直言って名前しか知らない・・・ 戦場のメリークリスマスのイメージ。 音楽で知っ…
中日新聞の大型記者コラム「ニュースを問う」の担当デスクしている著者。ネタ探しをしていた著者は滋賀県政担当記者・角雄記氏から西山美香さんのことを知る。知れば知るほど、冤罪ではないかという思いが募り、コラムのためにチームで取材をはじめる。 中日…
こちらの本は近畿圏の高校に大規模アンケート調査を行い、その結果をまとめたのがメインの本だ。 最近のネットいじめの傾向は、00年代に見られた個人攻撃形は減少し、発信者が悪意なく投稿したものが読み手が悪意を感じで炎上するタイプが増加しているそうだ…
現代の中国を紐解くために明朝、清朝について書き足していきたい。なぜ中国は日本とは異なる近代化の過程を経たのかわかります。一昔前まで、なぜ中国は近代化できないのかという問いが社会科学の世界にありました*1。岡本隆司さんの『世界史とつなげて学ぶ…
岡本隆司のこちらの本は学びの多い本でした*1。まとめると大変なので最も興味深く読んだ点についてだけメモしたいと思います。まずはモンゴル帝国がどれだけ栄えて経済発展したのか、それに対してなぜ明は商業を否定する政策をとったのかをみていきたいと思…
スピルバーグのウエスト・サイド・ストーリーを見ました。 有名だけど見たことがない映画でした。 www.20thcenturystudios.jp 私がこの映画の存在を初めて知ったのは父が実家から持ち帰ってきた石森章太郎の『サイボーグ009』のマンガでした。このマンガに…
ベニスで死すで有名なあの少年のドキュメンタリー「世界で一番美しい少年」を見ました。伝説的な映画だし、あの少年の姿は誰もが一度は見たことがあるだろう。 私にとって「タジオ」ことビョルンの知識は竹宮惠子『風と木の歌』のイメージくらいしかなく、少…
ネットでも日常でも「非モテ」という言葉は聞かれるし、男性自ら「俺は非モテ」と自称するする人もいるが、非モテとはいったんなんなのだろうか。一般的なイメージでは「モテない男」というイメージだし、weblioでも同様の定義をしている*1。 「非モテ」の…
伊藤昌亮氏の新刊の『炎上社会を考えるーーー自粛警察からキャンセルカルチャーまで』は、読むなら「今でしょ!」(死語)という感じのドンピシャな本でした。 この本はSNSトラブルの社会史であり、この新しい現象を読み解く視座を与えてくれます。東浩紀よ…
シックスサマナという雑誌をご存知だろうか。 年末年始は暇になるのでKindle Unlimitedに加入してたところ、なぜか「あなたへのオススメ」本としてプッシュされていた。なんとなく読んでみたらこれが滅法面白いのだ。 これまで「もうひとつの声、はるかな呼…
昨日も書いた感想だが、今日は下巻を中心に気になったところメモ。 kyoyamayuko.hatenablog.com 友情は道徳の基盤 第7章動物の友達では、「友情は動物界ではめったに見られない」(58)を確認している。人間の人らしさの一つには「友情」が一つの指標である…
ニコラス・クリスタキスのこの本を知ったのは、綿野恵太さんの『みんな政治でバカになる』*1 の参考文献からでした。上下巻の大著でしたが、興味深く読みました。著者は、「善き社会を作り上げるための進化的青写真(=社会性一式:social suit)」は人間の…