kyoyamayukoのブログ

私の墓にはルピナスを飾っておくれ

2021-07-01から1ヶ月間の記事一覧

なぜ日本は戦争を選択したのか(1)日清戦争までーーー松元崇の財政分析から学ぶ

日本はなぜ戦争を選択したのか。 一般的なイメージでは、第一次世界戦後の世界的不況のなか、日本も窮乏し、経済的に追い込まれて満州に進出(侵略)、これが世界的に批判されて経済封鎖され、日本は追い込まれて太平洋戦争に突入した、というのが定説かもし…

『学校を変える いじめの科学』を読む

先に『友だちをいじめる子どもの心がわかる本 (こころライブラリーイラスト版)』を読んでモヤモヤしたんですよね。いじめっこの気持ちがわかったとしても、じゃぁどうすればいいの?ってところが、保護者同士連携しようと言われてもって感じで。親がイジメに…

餓死した象にも慰霊碑があるのにーーー戦争孤児のリアルな実態

戦争孤児といえば「火垂るの墓」が思い浮かぶ。火垂るの墓では、神戸大空襲で親を失った戦災孤児の話だ。「個人的」な物語というイメージが強い。しかし、戦争孤児である金田茉莉の著作を読んで、戦災孤児とは政府の失策から生まれた「組織的」なものだとい…

もうひとつの声(2)2ーーーーカウンターカルチャー、自分探し、完全自殺マニュアルの登場

このblogで書き落としたもうひとつの側面についても触れておきたいと思います。それは「自分探し」の系譜です。 kyoyamayuko.hatenablog.com 写真アフロ この手の流れについて正史があるのかもしれませんが、その手の本を読んでいないので私の印象で思いつい…

もうひとつの声(4)ーーー今を生きる仙人・大原扁理、高原の世界のバイブル

このシリーズはひとまず終えたつもりだったんです。 でも『消費ミニマリズムの倫理と脱資本主義の精神』で紹介されていた大原扁理の本を読んでみたんです。タイトルは知っていたんです。いまどき流行りの低年収でいかにやりくりするかという本かと思っていま…

『消費ミニマリズムの倫理と脱資本主義の精神』の感想

ワクワクするタイトルです。 新しい社会ってどうやって生まれてくるのだろうか。 ウェーバーの『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』*1をもじったタイトルなのがわかります。 著者は2010年代にひろがったミニマリズム(最小限主義)の現象と消費社…

SNS 少女たちの10日間

日本と同じようにチェコでも未成年、しかも12才の女の子たちが オンラインチャットでつながり、性被害を受けるという。 若く見える女優(12才以上だがおそらく未成年の年齢)3人が「12才」設定でオンラインチャットしたらどうなるか、というドキュメンタリ…

学校で性暴力被害がおこったら

こちらマニュアルは学校管理下で起きた性被害の対応マニュアルです。 「学校で性暴力被害がおこったら」 https://www.google.com/url?sa=t&source=web&rct=j&url=https://onestop-hyogo.com/wp-content/uploads/2020/07/tebiki_web.pdf&ved= ぜひ各自治体の…

もうひとつの声、はるかな呼び声

blog記事のシリーズがまとまったので、ここでひとつにまとめよう。元橋利恵さんの『母性の抑圧と抵抗』*1を読んで最新のケアの倫理を学びました。ケアの倫理は近代思想が前提としている「自立 /自律した自我」を相対化し、先の思想にむけた新しい自我論にとっ…

もうひとつの声・番外編ーーーべてるの家、当事者の集まり

「自立/自律した個人」ではなくても生きていく方法。今回の流れでは取り上げなかったが、日本で最も有名な事例は「べてるの家」ではないだろうか。 べてるの家とは、北海道浦河町に設立された精神疾患の当事者が活動する拠点であり、職・住をともにして暮ら…

もうひとつのささやきーーー不労所得という欲望

もうひとつの「声」ではなくもうひとつの「ささやき」。声ではなくささやきにしたのは、悪魔*1のささやきをイメージしたから。働きたくない、働くのが嫌だという層のもうひとつの生き方として不労所得を得るという生き方がある。IT技術の進化によって、これ…