社会構想
岡本隆司のこちらの本は学びの多い本でした*1。まとめると大変なので最も興味深く読んだ点についてだけメモしたいと思います。まずはモンゴル帝国がどれだけ栄えて経済発展したのか、それに対してなぜ明は商業を否定する政策をとったのかをみていきたいと思…
昨日も書いた感想だが、今日は下巻を中心に気になったところメモ。 kyoyamayuko.hatenablog.com 友情は道徳の基盤 第7章動物の友達では、「友情は動物界ではめったに見られない」(58)を確認している。人間の人らしさの一つには「友情」が一つの指標である…
ニコラス・クリスタキスのこの本を知ったのは、綿野恵太さんの『みんな政治でバカになる』*1 の参考文献からでした。上下巻の大著でしたが、興味深く読みました。著者は、「善き社会を作り上げるための進化的青写真(=社会性一式:social suit)」は人間の…
谷口雄太さんのこちらの本を読む。ありそうでなかった、痒いところに手が届く論点整理のうまい本でした。 中世を学ぶ意義 日本で最も分裂した時代が中世であり、それでも辛うじて分裂されずにつながっていた時代だそうだ。それはなぜなのか、というのを著者…
たまたまこの本を読んでいたんですよね。 有名な「べてるの家」ですが、鈴木敏明医師の言葉が、先のblogの大屋雄裕のこのテーマの答だなって思ったんですよね。 我々が何を望むかについてあらかじめ配慮されることは、我々の幸福を約束してくれるのだろうか…
blogのタイトルは大屋雄裕の『自由か、さもなくば幸福か?ーーー二十一世紀の<あり得べき社会>を問う』から引用したものです。 前のblogでは『<普遍性>をつくる哲学 「幸福」と「自由」をいかに守るか』について読書ノートをまとめたのですが、この本を読…
こちらの続きです。ここから本格的に著者のクリエイティブな提案がはじまります。まとめていきます。 kyoyamayuko.hatenablog.com 第四章 現象学的言語ゲームーーー普遍性を創出する 著者はこのように提案する。 現象学は人間と社会の本質を探求する。 この…
読書ノートの続きです。岩内章太郎さんの本の骨子を勉強するためにまとめていきます。 kyoyamayuko.hatenablog.com 第三章 現象学の原理ーーー普遍認識の条件 135ー195 前回のblogでは、「多様ではあるが、相対的ではない世界」という俊逸な問いを立てたとこ…
岩内章太郎さんの新刊を読んで、自分のなかでもやもやしていてよくわからなかった概念がクリアになりました。スッキリして視野が広がった感じがします。 読書ノート的にまとめていきたいと思います。 第1章 新しい実在論の登場ーーー普遍性は実在する 17ー75 …
blog記事のシリーズがまとまったので、ここでひとつにまとめよう。元橋利恵さんの『母性の抑圧と抵抗』*1を読んで最新のケアの倫理を学びました。ケアの倫理は近代思想が前提としている「自立 /自律した自我」を相対化し、先の思想にむけた新しい自我論にとっ…