2021-06-01から1ヶ月間の記事一覧
近代の「自立/自律した個人」ではない生き方の模索として、前回は90年代後半以降に社会に広がった厭労働感についてまとめた。 kyoyamayuko.hatenablog.com 働きたくない。働けない。あんなに頑張れない。なんで働かなければいけないのだろう。安定した大手…
前回のblog記事は苦しい内容でした。 kyoyamayuko.hatenablog.com 荒野の砂つぶのような存在。割れた地面の底から吹き上げる風。虚しく寂しい。寒々しい。この虚しさはどこから吹き上げてくるのか。なぜこんなに虚しいのか。こんなにも虚しいのになぜ人は生…
もう一つの声(3)を書こうと思ったのだけど、『令和元年のテロリズム』を一気読みしてしまったので、「自律/自立した個人」であることから疎外された苦しみ、ダークな側面について書いておきたい。「弱者」男性の身の奥底から響く雄叫びについて触れておかな…
近代の「自律/自立した個人」ではない生き方の模索として、前回はコミューンまで書きました。その続きです。 kyoyamayuko.hatenablog.com 「半分降りる」生き方を書く前に、もう一つ押さえておきたい生き方を書いておこう。 脱サラ、フリーター 日本では1970…
テレビをほとんど見なくなってしまいましたが、このドラマだけは見ていました。 仲野太賀くんが出ていると教えてもらい、見はじめたらはまりました。 6月19日が最終回。 どんな終わり方をするのだろうか、楽しみにしていました。 以下、ネタバレ。ご注意あれ…
ようやくこの問いにたどり着きました。 私は「正しい」歴史認識の闘士ではないし、正直に言うとグロテクスな好奇心から中帰連の証言を趣味で読んでいました*1。グロテクスな好奇心とは人間の残虐な行為への関心のことです。最低ですね。 しかし、読めば読む…
中国帰還者連絡会(中帰連)はヒダリと言われているが、日本人戦犯のなかでミギに転向した人もいるので取り上げよう。その名は飯守重任(いいもりしげとう)。興味深い人物である。 飯守重任 ※写真の引用*1 ※日本人戦犯についてはこちら kyoyamayuko.hatenab…
中国の「日本人戦犯」はご存知だろうか。 こちらの記事のサブタイトルでもあるが、そもそも中華人民共和国の「日本人戦犯」は、極東裁判のA級戦犯やシベリア抑留ほど知られていない。まずは中国の「日本人戦犯」の全体像を示し、古海が日本人戦犯としてどの…
『獄中の人間学』*1に沿って敗戦後の古海の流れを追いたい。昭和20年9月に新京でソ連軍に逮捕されてシベリアへ抑留、5年間に及んだ。 ソ連のラーゲルでの日々 ソ連の取り調べを受けているうちに相手の意図が分かってきた。満州国にも侵略の意図があったの…
「満州国」総務庁次長の古海忠之に関心をもっている人は今の日本では数名しかいないかもしれない。古海忠之を知れば知るほどひかれていくのだが、これまで読んだ本を踏まえて、忘れ去られつつある古海忠之を多角的に描いていきたいと思う。 古海忠之※注1 渡…
趣味で中帰連や日本人戦犯関連の本を読み進め、その流れで東亜同文書院を知り、里見甫の本を読むことで中国の「阿片」問題がひっかかるようになりました。また、あれだけ蔓延した阿片はなぜ中国から消えたのか疑問でいっぱいになりました。中国の阿片問題の…
こちらの記事の続きです。今回は里見甫を中心にまとめていきます。 kyoyamayuko.hatenablog.com 『日中を懸ける』を読んで東亜同文書院について興味を持ちました。この本は巻末に索引までついているのですが、里見の名前は一切出てきません。私の中では里見…
FEELS GOOD MAN 気持ちいいぜ このドキュメンタリー映画、めちゃ面白かったです。 マンガのカエルキャラ・ぺぺがネットミームになり、2chのアメリカ版の4ch(というか2chを真似したアメリカ版匿名サイト)で非モテのアイコンになり、トランプ大統領選の…