満州国
シリーズ(16)では、軍縮を支持していた世論が、盧構橋事件と連動して起きた通州事件で日本人居留民が虐殺されると、一気に軍部支持に傾いた。あっという間に軍拡のための予算がほとんど審議されず通ってしまった。明治維新からニニ六事件で高橋是清が惨殺…
前回では金解禁不況から回復させて健全財政政策を実施した。このシリーズをお読みになっている方はワンパタなので予測できているると思うが、明治憲法下での健全財政とは軍事費抑制なのだ。いつものパターンのはずだった。しかし、ニ・ニ六事件で高橋是清は…
シリーズ(10)(11)(12)では国際グローバルスタンダードであった金本位制が崩壊し、グローバル経済が維持できなくなりブロック経済化していった状況を説明した。当時の常識であった金本位制を維持するの政策によって各国はデフレと金利上昇に見舞われ、…
前回は日清戦争まで書きました。日中戦争、太平洋戦争のところからさくっと書いてまとめたいと思ったのですが、そこから書くとよくわからないし、勉強がてら明治政府以降の流れをまとめています。 引き続き松元崇の本を参考にしてまとめていきます。 kyoyama…
ようやくこの問いにたどり着きました。 私は「正しい」歴史認識の闘士ではないし、正直に言うとグロテクスな好奇心から中帰連の証言を趣味で読んでいました*1。グロテクスな好奇心とは人間の残虐な行為への関心のことです。最低ですね。 しかし、読めば読む…
中国帰還者連絡会(中帰連)はヒダリと言われているが、日本人戦犯のなかでミギに転向した人もいるので取り上げよう。その名は飯守重任(いいもりしげとう)。興味深い人物である。 飯守重任 ※写真の引用*1 ※日本人戦犯についてはこちら kyoyamayuko.hatenab…
中国の「日本人戦犯」はご存知だろうか。 こちらの記事のサブタイトルでもあるが、そもそも中華人民共和国の「日本人戦犯」は、極東裁判のA級戦犯やシベリア抑留ほど知られていない。まずは中国の「日本人戦犯」の全体像を示し、古海が日本人戦犯としてどの…
『獄中の人間学』*1に沿って敗戦後の古海の流れを追いたい。昭和20年9月に新京でソ連軍に逮捕されてシベリアへ抑留、5年間に及んだ。 ソ連のラーゲルでの日々 ソ連の取り調べを受けているうちに相手の意図が分かってきた。満州国にも侵略の意図があったの…
「満州国」総務庁次長の古海忠之に関心をもっている人は今の日本では数名しかいないかもしれない。古海忠之を知れば知るほどひかれていくのだが、これまで読んだ本を踏まえて、忘れ去られつつある古海忠之を多角的に描いていきたいと思う。 古海忠之※注1 渡…
趣味で中帰連や日本人戦犯関連の本を読み進め、その流れで東亜同文書院を知り、里見甫の本を読むことで中国の「阿片」問題がひっかかるようになりました。また、あれだけ蔓延した阿片はなぜ中国から消えたのか疑問でいっぱいになりました。中国の阿片問題の…
こちらの記事の続きです。今回は里見甫を中心にまとめていきます。 kyoyamayuko.hatenablog.com 『日中を懸ける』を読んで東亜同文書院について興味を持ちました。この本は巻末に索引までついているのですが、里見の名前は一切出てきません。私の中では里見…
日中戦争関連の本を読み進めているのですが、こちらの本は日本戦犯の管理所長の回想です。日本戦犯についてはもう少し本を積み重ねてから書きたいので今回ははしょりますが、満州国、清王朝末期を支えた満州人の戦犯の話が興味深く、他では情報があまりない…
※20210601 中西功記事追加 ,西里龍夫の情報追加 ※20210531 西里龍彦、中西功の部分を追加 ーーーーーーーーーーーーーー たまたまブックオフで見つけたこの本を読んだらとても面白かったのだ。日本人が上海で設立したビジネスマン育成の大学であり、愛知大学…