日中戦争
既に話題の本ですが、石川禎浩さんの新著は大変面白かったです。読み物としても、小難しい論文調ではなく、語り口調が上手く引き込まれていきます。最後まで読ませてくれる本でした。 これまでblogにも書いてきましたが、私の場合、中帰連、日中戦争に関心を…
このシリーズでは明治維新からニニ六事件まで、日本の近代史に沿いながら財政問題の流れを追ってきた。教科書的には明治政府は「富国強兵」、「殖産産業」のイメージがあり、強くて金もある「大きな政府」と捉えている人が大半だろう。私も松元崇さんの本を…
ようやくこの問いにたどり着きました。 私は「正しい」歴史認識の闘士ではないし、正直に言うとグロテクスな好奇心から中帰連の証言を趣味で読んでいました*1。グロテクスな好奇心とは人間の残虐な行為への関心のことです。最低ですね。 しかし、読めば読む…
中国の「日本人戦犯」はご存知だろうか。 こちらの記事のサブタイトルでもあるが、そもそも中華人民共和国の「日本人戦犯」は、極東裁判のA級戦犯やシベリア抑留ほど知られていない。まずは中国の「日本人戦犯」の全体像を示し、古海が日本人戦犯としてどの…
『獄中の人間学』*1に沿って敗戦後の古海の流れを追いたい。昭和20年9月に新京でソ連軍に逮捕されてシベリアへ抑留、5年間に及んだ。 ソ連のラーゲルでの日々 ソ連の取り調べを受けているうちに相手の意図が分かってきた。満州国にも侵略の意図があったの…
「満州国」総務庁次長の古海忠之に関心をもっている人は今の日本では数名しかいないかもしれない。古海忠之を知れば知るほどひかれていくのだが、これまで読んだ本を踏まえて、忘れ去られつつある古海忠之を多角的に描いていきたいと思う。 古海忠之※注1 渡…
こちらの記事の続きです。今回は里見甫を中心にまとめていきます。 kyoyamayuko.hatenablog.com 『日中を懸ける』を読んで東亜同文書院について興味を持ちました。この本は巻末に索引までついているのですが、里見の名前は一切出てきません。私の中では里見…
日中戦争関連の本を読み進めているのですが、こちらの本は日本戦犯の管理所長の回想です。日本戦犯についてはもう少し本を積み重ねてから書きたいので今回ははしょりますが、満州国、清王朝末期を支えた満州人の戦犯の話が興味深く、他では情報があまりない…