kyoyamayukoのブログ

私の墓にはルピナスを飾っておくれ

2021-04-01から1ヶ月間の記事一覧

ケアの倫理と「弱者男性」論ーーー自律した個人モデルから排除された男性はネット寄せ場で暗黒思想を紡ぎ出すしかないのか

フェミニズムは、近代思想が前提とする「自立/自律した個人」モデルが女性を排除した抽象的な概念であることを明らかにしたのですが、実は一部の男性にとっても、特に「弱者男性」にとっても同じことが言えるのだと気づきました。この「自律した個人」モデ…

ケアの倫理と「母性2.0」ーーー元橋利恵『母性の抑圧と抵抗』

2.0ってもはや死語ですか? 「母性」の語りのレンジを広げるために、フェミニズムが到達した母性批判を超えて再構成するときがきたのではないだろうか。 それは単に「母性」、女性に「だけ」関わる話なんかではない。ケアの倫理は、近代思想の基盤にある「自…

さよならは突然やってくるー谷川俊太郎詩集「はだか」

さようなら ぼくもういかなきゃなんない すぐいかなきゃなんない どこへいくのかわからないけれど さくらのなみきのしたをとおって おおどおりのしんごうでわたって いつもながめているやまをめじるしに ひとりでいかなきゃなんない どうしてなのかしらない…

「心の理論」がインストールされていなかった

目から鱗が落ちた本。 「毒親」の正体―精神科医の診察室から―(新潮新書) 作者:水島広子 発売日: 2018/03/23 メディア: Kindle版 気持ちのやりとりができない父親のことは少女時代から違和感を感じていた。そのせいもあってか家族問題や親子関係の本を多数…

ケアの倫理ー近代的自我を相対化する重要な概念

ケアの倫理について分かりやすくまとめてあり、勉強になったので概念を整理したい。 「第1章 母性研究の戦略とケア・フェミニズム」から引用してまとめる。 3 ケアー女性の経験と思考の可視化[23-27] 母性研究は母性と近代的自我を対置。本署ではケアの倫…

「医療や福祉における悲惨は善意の顔してやってくる」

すごい本でした。 今まで読んだ「心の病気」関連の本の中でこれ以上にわかりやすい本はないのではないだろうか。中学生向けの本ですが、大人が読んでも十分読みごたえがあります。わかりやすいのに奥行きがあります。 心の病気ってなんだろう? (中学生の質…

はじめる

読書メーターの感想がたまり、氾濫しはじめたのでまとまりをつけるためにはじめる。本をランダムに読んでいるが、ある種の志向性があるため、なんとなくテーマを追求しつつも広がりが出てきて把握できなくなってきてしまった。年を取ったので忘却防止を兼ね…