kyoyamayukoのブログ

私の墓にはルピナスを飾っておくれ

社会論

ヤジは排除されて当然なのかーーー市民の自由の守り方

世界が混沌として不透明な時代になってきた。 民主主義より権威主義がはびこる時代になってきた。 強いものこそ正義なのか。 弱者は黙って従い耐えるしかないのだろうか。 自分たちの自由と平等を守るにはどうしたらよいのだろうか。 自分たちの自由を守るの…

ホモソーシャルな関係の乗り越え方ーーー『「非モテ」からはじまる男性学』の感想

ネットでも日常でも「非モテ」という言葉は聞かれるし、男性自ら「俺は非モテ」と自称するする人もいるが、非モテとはいったんなんなのだろうか。一般的なイメージでは「モテない男」というイメージだし、weblioでも同様の定義をしている*1。 「非モテ」の…

『炎上社会を考える』の感想@キャンセルカルチャーのまとめ

伊藤昌亮氏の新刊の『炎上社会を考えるーーー自粛警察からキャンセルカルチャーまで』は、読むなら「今でしょ!」(死語)という感じのドンピシャな本でした。 この本はSNSトラブルの社会史であり、この新しい現象を読み解く視座を与えてくれます。東浩紀よ…

『ブループリント 「よい未来」を築くための進化論と人類史』の感想②友情、友(内集団)/敵(外集団)、自己と他者、利他的行為

昨日も書いた感想だが、今日は下巻を中心に気になったところメモ。 kyoyamayuko.hatenablog.com 友情は道徳の基盤 第7章動物の友達では、「友情は動物界ではめったに見られない」(58)を確認している。人間の人らしさの一つには「友情」が一つの指標である…

『ブループリント 「よい未来」を築くための進化論と人類史』の感想

ニコラス・クリスタキスのこの本を知ったのは、綿野恵太さんの『みんな政治でバカになる』*1 の参考文献からでした。上下巻の大著でしたが、興味深く読みました。著者は、「善き社会を作り上げるための進化的青写真(=社会性一式:social suit)」は人間の…

『分裂と統合で読む日本中世史』を読む

谷口雄太さんのこちらの本を読む。ありそうでなかった、痒いところに手が届く論点整理のうまい本でした。 中世を学ぶ意義 日本で最も分裂した時代が中世であり、それでも辛うじて分裂されずにつながっていた時代だそうだ。それはなぜなのか、というのを著者…