blogのタイトルは大屋雄裕の『自由か、さもなくば幸福か?ーーー二十一世紀の<あり得べき社会>を問う』から引用したものです。 前のblogでは『<普遍性>をつくる哲学 「幸福」と「自由」をいかに守るか』について読書ノートをまとめたのですが、この本を読…
こちらの続きです。ここから本格的に著者のクリエイティブな提案がはじまります。まとめていきます。 kyoyamayuko.hatenablog.com 第四章 現象学的言語ゲームーーー普遍性を創出する 著者はこのように提案する。 現象学は人間と社会の本質を探求する。 この…
読書ノートの続きです。岩内章太郎さんの本の骨子を勉強するためにまとめていきます。 kyoyamayuko.hatenablog.com 第三章 現象学の原理ーーー普遍認識の条件 135ー195 前回のblogでは、「多様ではあるが、相対的ではない世界」という俊逸な問いを立てたとこ…
岩内章太郎さんの新刊を読んで、自分のなかでもやもやしていてよくわからなかった概念がクリアになりました。スッキリして視野が広がった感じがします。 読書ノート的にまとめていきたいと思います。 第1章 新しい実在論の登場ーーー普遍性は実在する 17ー75 …
未成年のふりしてオンラインチャットしたらどうなるか、というのがこちらのチェコのドキュメンタリー映画でした。 kyoyamayuko.hatenablog.com この映画を真似て日本でも実験した団体がある。大津市の団体だ。Skypeで実験したところ「開始数秒から返信が相次…
出典: ヘイト目的で使われ続けた「カエルのペペ」、作者が奪還を断念して公式で葬式を行う - GIGAZINE ここでは時事ネタは避けたいと思いつつ、小山田圭吾さんについていろいろ考えさせられることがありました。最近、kobeniさんの小山田圭吾の「イジメ発言…
なぜ日本は戦争を選択したのか。 安倍70年談話ではこのようにまとめられている。 世界恐慌が発生し、欧米諸国が、植民地経済を巻き込んだ、経済のブロック化を進めると、日本経済は大きな打撃を受けました。その中で日本は、孤立感を深め、外交的、経済的な…
子宮系、体内記憶、自然なお産。。。妊娠、出産した女性にとって、雑誌やネットで見かける言葉たち。「自然なお産」なんてあまりにナチュラルな言葉過ぎて、スピチュリアリティと関係があるなんて自覚も無く、それらの言葉に触れている。 これらの言葉はどこ…
既に話題の本ですが、石川禎浩さんの新著は大変面白かったです。読み物としても、小難しい論文調ではなく、語り口調が上手く引き込まれていきます。最後まで読ませてくれる本でした。 これまでblogにも書いてきましたが、私の場合、中帰連、日中戦争に関心を…
シリーズ(17)では、満州国の開発が本国の犠牲の上に成り立っていたことをまとめた。満州国、華北支配によって日本は国内の資本、労働力、そして正貨=外貨が流出して「持たざる」国へ自ら陥っていくのである。 今回は、円元パー政策によっていかに中国へ正…
シリーズ(16)では、軍縮を支持していた世論が、盧構橋事件と連動して起きた通州事件で日本人居留民が虐殺されると、一気に軍部支持に傾いた。あっという間に軍拡のための予算がほとんど審議されず通ってしまった。明治維新からニニ六事件で高橋是清が惨殺…
このシリーズでは明治維新からニニ六事件まで、日本の近代史に沿いながら財政問題の流れを追ってきた。教科書的には明治政府は「富国強兵」、「殖産産業」のイメージがあり、強くて金もある「大きな政府」と捉えている人が大半だろう。私も松元崇さんの本を…
前回では金解禁不況から回復させて健全財政政策を実施した。このシリーズをお読みになっている方はワンパタなので予測できているると思うが、明治憲法下での健全財政とは軍事費抑制なのだ。いつものパターンのはずだった。しかし、ニ・ニ六事件で高橋是清は…
シリーズ(10)(11)(12)では国際グローバルスタンダードであった金本位制が崩壊し、グローバル経済が維持できなくなりブロック経済化していった状況を説明した。当時の常識であった金本位制を維持するの政策によって各国はデフレと金利上昇に見舞われ、…
※政府が事後的に満州事変を認めた背景、第一次上海事件、満州事変の国内の評価の項目を追加しました。 シリーズ(10)(11)(12)では国際グローバルスタンダードであった金本位制が崩壊し、グローバル経済が維持できなくなりブロック経済化していった状況…
シーリズ(11)では金本位制が崩壊する状況を、時を前後してシリーズ(10)では、国際金融の常識である金本位制に復帰した日本が経済悪化で政治不安を呼び起こした状況について触れました。 kyoyamayuko.hatenablog.com 前回はドイツに触れず金本位制の崩壊…
シリーズ(10)では、旧平価の金本位制の復活(金解禁)のためデフレ経済を選択し、厳しい緊縮財政を行った。金解禁政策を争点にした総選挙で与党が大勝し、メディアも民衆も支持した。緊縮財政とは軍縮の実施である。世界的にも軍縮の流れにあり、ロンドン…
(8)では平和外交(=軟弱外交)から積極外交に転換し、不穏な中国情勢に対応して出兵した結果、日本人居留民が惨殺された済南事件が起こり国内世論は中国へ厳しい目が向けられるなか張作霖爆殺事件が起こる。(9)では日露戦争後、地方では行政費用が増加…
シリーズ(7)では内政重視の平和外交=軟弱外交で悪化した財政を立て直すために緊縮財政(軍縮)をすすめ、複雑化する中国の混乱に不介入を貫いたことで、枢密院や陸軍の不満が高まっていった。昭和恐慌の対応で失敗し、与党の憲政会が下野し、政友会が与…
シリーズ(7)では与党の憲政会はが緊縮財政と平和外交で内政重視の政策を行い、関東大震災の震災手形の処理を始めたが、与野党の対立が激化して信用不安が起きた。同時期、中国大陸では蒋介石が第一次北伐を開始、南京を占拠して居留民に迫害を加えた(192…
バタバタしていて間が空いてしまったが再開したい。 松元崇先生についていきます。 シリーズ(4)では世界大戦後は国際環境が一変、帝政ロシアが消滅し互いに認め合っていた満州利権が御破算となり、アメリカが台頭してきて中国利権に口出してくるなか、世…
シリーズ(2)(3)では日露戦争の借金と金利負担で四苦八苦していたが第一次世界大戦のおかげで借金返済し、債務国から債権国のイケイケに、(4)では世界大戦後は国際環境が一変、帝政ロシアが消滅し互いに認め合っていた満州利権が御破算となり、アメ…
シリーズ(2)の 日露戦争では財政的な負け戦、(3)では日露戦争後は借金と金利負担で四苦八苦していたが第一次世界大戦のおかげで借金返済し、債務国から債権国のイケイケに、(4)では世界大戦後は国際環境が一変、帝政ロシアが消滅し互いに認め合って…
シリーズ(1)では明治政府は借金付け、(2)の日露戦争は財政的な負け戦で政府は火の車だし、国民は重税で大変だった、(3)では日露戦争後は借金と金利負担で四苦八苦するなか正貨流出で追い込まれていたが第一次世界大戦のおかげで借金返済し、正貨流…
シリーズ(1)では明治政府は借金付け、(2)の日露戦争は財政的な負け戦で政府は火の車だし、国民は重税で大変だったとというところまで書きました。 kyoyamayuko.hatenablog.com 松元崇さんの本から学んでいきたいと思います。書いてまとめると、難しい…
前回は日清戦争まで書きました。日中戦争、太平洋戦争のところからさくっと書いてまとめたいと思ったのですが、そこから書くとよくわからないし、勉強がてら明治政府以降の流れをまとめています。 引き続き松元崇の本を参考にしてまとめていきます。 kyoyama…
日本はなぜ戦争を選択したのか。 一般的なイメージでは、第一次世界戦後の世界的不況のなか、日本も窮乏し、経済的に追い込まれて満州に進出(侵略)、これが世界的に批判されて経済封鎖され、日本は追い込まれて太平洋戦争に突入した、というのが定説かもし…
先に『友だちをいじめる子どもの心がわかる本 (こころライブラリーイラスト版)』を読んでモヤモヤしたんですよね。いじめっこの気持ちがわかったとしても、じゃぁどうすればいいの?ってところが、保護者同士連携しようと言われてもって感じで。親がイジメに…
戦争孤児といえば「火垂るの墓」が思い浮かぶ。火垂るの墓では、神戸大空襲で親を失った戦災孤児の話だ。「個人的」な物語というイメージが強い。しかし、戦争孤児である金田茉莉の著作を読んで、戦災孤児とは政府の失策から生まれた「組織的」なものだとい…
このblogで書き落としたもうひとつの側面についても触れておきたいと思います。それは「自分探し」の系譜です。 kyoyamayuko.hatenablog.com 写真アフロ この手の流れについて正史があるのかもしれませんが、その手の本を読んでいないので私の印象で思いつい…